CASE1

事例紹介

左から、佐々木満さん、小泉千秋さん、大月義正さん、高橋隆男さん

第7期「金の認証シール」受賞
「孫と映画館に行きたい」
福祉用具の活用と機能訓練で夢を実現

~在宅で複数のサービスを活用した取組~

松葉杖を使いこなせるように

 大月さんは糖尿病のため左足を切断し、義足と松葉杖を使用するようになりました。福祉用具専門相談員は手すりなどを設置して住環境を整備するとともに、その後義足が合わず外すことになると、松葉杖を安全に使えるよう調整を行ったのです。
 映画好きな大月さんが抱いていたのは、「孫と映画館に行きたい」という夢。実現に向けて、介護支援専門員は医師の助言に従って、運動によって血糖値を改善させることと、松葉杖を体の一部のように使いこなせることを目標にしました。そして機能訓練特化型の通所介護で、大月さんの腕と下肢筋力を強化する機能訓練を行ったのです。

利⽤者情報

大月義正さん (74歳)

要介護度
2→1
⽇常⽣活動作(ADL)
27→24

障がいに合わせた機能訓練を重ねる

 義足を外す決断をしたときには気持ちが沈むこともありましたが、柔道整復師が「あきらめないで、今の機能を生かして生活を続けていきましょう」と寄り添う言葉をかけて背中を押すと、大月さんの意欲が復活。食事管理を担う奥さまの支えもあって血糖値が改善し、体調もよくなり、孫と映画館へ行く夢を実現しました。そこで「一般席で映画を観たい」という次の目標を達成しようと、チームが意思統一しプロジェクトに参加。機能訓練に、バランス訓練や関節可動域を広げるストレッチも加えました。大月さんも「体を動かすのは楽しい」と、通所介護を1日も休まずにリハビリに努め、その目標も達成したのです。チームは、受賞を機に大月さんの気持ちがさらに上向きになっていると手ごたえを感じています。

したい!やりたい!が叶った!原動力は「孫」

 機能訓練のモチベーションとなったのは、「かわいがっている孫と映画館に行きたい」という思いでした。大月さんは毎月2~3本鑑賞するほど映画好きでしたが、糖尿病が悪化して以来、映画館から遠ざかっていたのです。リハビリと食事管理で体調が改善し、車いす専用席でお孫さんと映画を観ることができると、「次は車いすを使わず、好きな席を選べる一般席で見たい」という目標が生まれました。介護支援専門員は、「大月さんの強い自立心と、孫が喜ぶことをしてあげたいという気持ちが、足を失った喪失感から回復する原動力になりました」と評価します。そしてこの目標も見事達成。大月さんは、「孫と観る映画は格別だね。また孫と映画を楽しみたい」と意欲的です。

利⽤者の状況や
ケアの変化

H28.6
糖尿病により左下腿を切断
H28.7
要介護2
移動は車いす、平行棒での歩行訓練を開始
H29.6
義足を使用し、松葉杖で移動できるように
H30.2
通所介護利用開始
R2.9
義足の使用をやめるため、安全に松葉杖を
使用できるよう上肢帯の抵抗運動を開始
R4.1
お孫さんと映画館に行き、
車いす専用席で鑑賞
R4.9
プロジェクト参加
「一般席で映画を観たい」と希望
R5.1
松葉杖を使用し、一般席で映画を鑑賞
R5.4
要介護1に改善
R5.9
金の認証シール受賞

ケアセンター小田本通り
(居宅介護支援)
主任介護支援専門員 高橋隆男さん

介護と医療両面を考慮しケアを組み立てました。糖尿病改善のために必要だとされた運動については、担当医の意見を聞いたうえで通所介護の柔道整復師と連携を取ってリハビリに反映。福祉用具専門相談員にもフィードバックしながら、状態改善に向けて取り組んでいきました。大月さんは運動の重要性をよく理解し、熱心にリハビリに取り組んでくださいました。片足を失った喪失感は大きかったと思いますが、お孫さんの成長が支えとなりました。血糖値が正常になったのは、食事制限のある大月さんのために食事を工夫された奥さまの力も大きいと思います。何より、大月さんの強い自立心で希望を実現することができました。

リハビリセンターいずみ大島店
(通所介護)
柔道整復師 小泉千秋さん

義足を外すことになったとき、大月さんの自宅環境から車いす生活は難しいと判断。今後の生活を見据えて、松葉杖を使った生活を支援することになりました。松葉杖を使うには腕の力を強化する必要があったので、上肢や下肢に負荷をかけた抵抗運動を行いました。ネガティブな気持ちになられたこともありましたが、大月さんの性格に合わせた言葉をかけて背中を押すと再び奮起してくださり、4年間一日も休まずに通所されたのです。金賞受賞を機に、さらに気持ちが上向きになっていると感じています。大月さんの5年後、10年後の生活を視野に入れ、これからも長く通所していただけるよう取り組んでいきたいと思います。

メディケアセンター川崎
(福祉用具貸与)
福祉用具専門相談員 佐々木満さん

念頭に置いているのが、大月さんの身体状態に合った車いすや松葉杖を提供し、調節することです。半年ごとに利用状況を確認し点検を行っていますが、特に松葉杖については、使用頻度や使用状況を確認し、すり減り方などまで細かくチェックしています。私たちはご利用者に元気になっていただき、喜んでもらうために仕事をしています。ですから、大月さんの介護度が改善し、プロジェクトでも金賞を受賞されたことを心からうれしく思っています。これからも大月さんの変化に応じて、福祉用具について助言を行っていきたいと考えています。

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