CASE

事例紹介

左から、山口誠一さん、渡邊登志子さん、大森みゆきさん、澤畠優香さん、彌富輝代さん、小松誠さん、池田かづ奈さん、三塚伸一さん、猪熊永子さん

仲間とともに⽇々の⽣活を楽しみながら
⽣活⾃体をリハビリにする

〜介護付有料⽼⼈ホームでの取組〜

自宅で転倒・骨折して入院した彌富さんは自宅での生活が難しいと判断され、リハビリ病院からラヴィーレ川崎宮前に入居しました。「また歩きたい」という気持ちは強かったものの、居室のトイレに行くのにも転倒を繰り返していたため、安全を確保できるよう居室内の手すりやベッドの位置など、試行錯誤を重ねながら環境整備に取り組みました。あわせて筋力の維持向上を目指して、理学療法士による個別の歩行リハビリや集団体操を行いました。さらにまずは車いすで自由に移動できることを目標に、車いすの移動訓練も重ねたのです。
その結果、ホームに入居して1年半経ったころには転倒することもなくなり、車いすの自走が可能になっていました。ホームの環境にもすっかり慣れ、友人と楽しく過ごすように。これを機に彌富さんの「また歩きたい」という意欲にチームとしてこたえたいと、他の入居者とともにプロジェクトに参加しました。すると友人と過ごす時間が増えるにつれて、持ち前の社交性を発揮し、「仲間みんなでがんばろう」という気持ちが芽生えたのです。

利⽤者情報

彌富輝代さん(94歳)

要介護度2→1

⽇常⽣活動作(ADL)28→27

ホーム長 三塚さん

ホームは「リハビリ強化型」をうたい、リハビリ機器に加えて毎日の外気浴や体操、音楽や絵、習字など多様なアクティビティが充実。生活自体がリハビリになるように工夫されています。彌富さんも友人と誘い合って、レクリエーションやリハビリに参加し、外気浴をするのが日課になりました。今は職員の支援をほとんど受けることなく生活ができるところまで状態が改善したのです。居室内は安定した歩行ができ、部屋から出るときには車いすを自走して移動。自由な生活ができているという満足感があるからか、「ずっとここで楽しく暮らしたい」という希望を口にするようになりました。いつも笑顔で「ありがとう」「表彰されてうれしい」と感謝を表す彌富さん。その言葉を励みに、チームも彌富さんの希望を叶えるため、今の取り組みを維持していくつもりです。

専⾨職が連携した個別ケア
⼀⼈ひとりに必要な援助を⾏う

SOMPOケアは、ご入居者と1対1でかかわる「カスタムメイドケア」を掲げています。月に2回、その方の心身の状況や望んでいること、生活に改善の余地があるかなど、担当の介護職員が情報収集して、会議「カスタムカンファレンス」に臨みます。それをもとに看護師と話し合って、今後のケアの方向を決定。各専門職の視点も加味して全員で共有し、加えてケアの際活用するスマートフォンアプリにも反映させて実行を徹底しています。一律の援助ではなく、その方一人ひとりに合わせて必要な援助をする時間を確保するのは簡単ではありませんが、それがご入居者の満足度や元気な笑顔につながると考えています。こうしたケアの延長線上にあるのがプロジェクトであり、そうして生まれた彌富さんの笑顔やあたたかな人柄に職員も支えられているのです。
(ホーム長 三塚さん)

仲間と⼀緒に⾏うリハビリが
相乗効果をもたらした

理学療法士は、生活の場であるホームでのリハビリは、彌富さんが負担を感じることなく、日ごろから体を動かしてもらうことが大切だと考えています。そこで、社交的で前向きな彌富さんの性格を考慮して、彌富さんが友人と食後のコーヒーを飲みながら談笑しているところや、廊下を通っているところをとらえて、「ちょっと寄り道しませんか」と声をかけてリハビリ室に誘い、「ついでリハビリ」を意識して実施しました。仲の良い友人と交代でマシントレーニングをしたり、歩行訓練をしたりすることで、彌富さんや仲間のやる気が増し、リハビリも進むという相乗効果が生まれたのです。友人たちと参加するさまざまなレクリエーションや外気浴が毎日設けられていることなど、彌富さんのやる気にこたえることのできる環境があったことも、状態を大きく改善する要因になりました。

利⽤者の状況や
ケアの変化

H30.8
⾃宅で転倒・⾻折し⼊院
H31.1
退院し、SOMPOケアラヴィーレ川崎
宮前に⼊居
要介護3
R1.8
転倒を繰り返す(1年間ほど)
R1.9
⼿すり設置、ベッドの位置修正など
居室内環境整備を⾏う
(1年間ほど)
R1.10
歩⾏訓練と並⾏して⾞いす⾃⾛訓練を
強化、⾞いす⾃⾛できるように
⽣活リズムを整える
R2.7
要介護2に改善
R2.8
転倒が落ち着き、友⼈と楽しく
過ごす時間が増える
R3.7
プロジェクト参加
R3.8
援助はほとんど不要になる
要介護1に改善
R4.9
⾦の認証シール受賞

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